耳鳴り
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耳鳴り(新しい整体院)
耳鳴りについて、原因・症状・キーン音・治療法・実績
耳鳴りが何故整体で改善されるの! 山口県山口市 新しい整体院
顎関節症でも説明した、顎二腹筋は耳の奥にあるアブミ骨筋とも関係があり、進化の過程で顎二腹筋とアブミ骨筋は分化したと言われています。
アブミ骨筋は鼓膜で受け取った音の振動をツチ骨→キヌタ骨→アブミ骨→蝸牛へと伝えます。その過程で大きな音だったり、雑音を伝えないようにする器官がアブミ骨筋なのです。
アブミ骨筋の収縮=振動しているアブミ骨を止める。蝸牛に音が伝わらくなり、その結果脳が音を創り出すようになり、耳鳴りが始まります。
耳鳴りは実際に起こる音でなく、脳が創り出している音なのです。
工事現場での大きな音を長い間聞いていたり、ヘッドホンでの大音量を聞いていたりすると、アブミ骨筋に収縮命令が出され、耳鳴りにつながるのです。
耳鳴り:突発性難聴から来院された方
最近の症例です。この方は多くの耳に関する悩みを抱えておられたので例にあげました。
メールでの相談がありました。~・~先月「突発難聴」と診断され、ステロイド、高圧酸素、針、様々な施術を受けてきましたが、ますます聴力が下がってしまい、再度検査したところ「アブミ骨筋が固まっている」という結果が出てしまいました。まだ手術するほどの聴力ではありません。この筋肉が少しでも柔らかく、元の状態に戻ってくれれば良いのですが、今のところ、針と運動だけでは効果が出ていません。
最初に施す側頭筋マッサージの時に側頭部が勝手に「ピクピク」と動いていました。それは目の下に起こる痙攣と同じような動きで、無意識の反応です。しかし収縮していることは事実なので、側頭部には多数の「ゴツゴツ」したコリがありました。このような状態になると側頭筋の収縮も均等でなくなるのです。
やはり開口も下アゴのズレが見つかりました。 顎関節症で説明した身体のバランス調整 から開口のズレを矯正すると、側頭筋のピクピクした動きも抑えられてきます。すると不思議なことに大きな音に対しての怖さが消えたのです。何故なら鼓膜張筋は側頭筋と同じ神経に支配されているので、同じようにこの理由を図を使って説明しましょう
鼓膜張筋とアブミ骨筋
耳小骨筋
音を聞く感覚器官、すなわち耳は外耳、中耳、内耳の三つのスペースから成り立っています。この外耳と中耳の境界にあるのが「鼓膜」で、外界から入ってきた音は、「外耳道」と呼ばれる通路を通って、鼓膜に達して、鼓膜を振動させます。
鼓膜のすぐ奥に、「耳小骨」と呼ばれる三つの小さな骨が連なっています。この耳小骨の内訳は、「ツチ骨」、「キヌタ骨」、「アブミ骨」で、この三つの小さな骨の連鎖によって、鼓膜の振動は内耳へと伝えられます。
この時に振動を制御をする筋肉が鼓膜張筋とアブミ骨筋なのです。 鼓膜張筋は三叉神経の支配を受けており、アブミ骨筋は顔面神経の支配を受けるのです。またアブミ骨筋は人体で一番小さな筋肉と言われています。ですから大きさで見ると鼓膜張筋の方が大きいのです。
側頭筋が「ピクピク」と動いている状態は同じ三叉神経の支配を受けている鼓膜張筋にも影響を与えている可能性があるのです。ですから顎関節を調整することで咀嚼筋を整える。この「整った」という信号を脳が受け取ると、脳神経も正しく機能するようになります。ですから第5脳神経=三叉神経も正しい信号を伝達するので、側頭部における痙攣様の「ピクピク」感も収まり、鼓膜張筋の異常収縮も制限されます。 その結果大きな音に対しての怖さが消えたのです。そして耳鳴りキーンもほとんど聞こえなくなったのです。
耳鳴りと顔面神経麻痺との関係
上述したアブミ骨筋は顔面神経の支配を受けています。その為顔面神経麻痺を発症すると耳鳴りが併発する場合があります。「顔面神経麻痺 耳鳴り」のキーワードで検索すると筋性耳鳴りの説明が出てきます。
そして顔面神経麻痺による耳鳴りの方が来院されました。また顎関節症と診断された方達の中にも咀嚼筋に問題があるのでなく、口唇の周囲に付く表情筋に問題がある方もいらっしゃいました。
新しい整体院では顔面神経麻痺の施術にも用いている開口調整を耳鳴りの症状の改善に大きく活用しています。現在は耳鳴りキーンの改善に顎関節症+顔面神経麻痺の疑いを考えてデジカメによる画像診断をしています。
耳鳴りキーンの原因は 骨伝導
上の図は音の伝達に必要な各器官を描いています。
右端にあるカタツムリのような渦を巻いた器官が蝸牛管です。聴覚を司る内耳に位置する器官で、通常は耳鳴りの原因としてこの蝸牛管の中に位置する有毛細胞の変性と言われています。
有毛細胞とは字の如く、リンパ液の流れを感知する毛のような細胞です。そしてその細胞は加齢と共に欠落することがあるそうで、高音域の音が聞こえ難くなります。すると脳にある視床が代替しキーンという音を作る、ということが最新の研究で発表されています。しかし若い人でも耳鳴りで悩んでいる人は多くいます。
顎関節症に由来する耳鳴りも説明できません。視床をキーンという音の発生源として考えると耳詰まりでも説明したように飛行機に乗った時に出る気圧の変化による耳鳴りなど、視床を発生源にする理論はどうなのでしょうか?
そのヒントとなるのが、クジラ・イルカ・コウモリといった反響定位なのです。反響定位とは、自分が発した音が何かにぶつかって返ってきたものを受信し、それによってぶつかってきたものの距離を知ることを意味しています。
ウィキペディアではハクジラ類の反響定位について詳しく説明しています。
要約すると「鼻腔で音波を発し音波の受信は耳孔ではなく下顎骨を用いて行い、ここから骨伝導で内耳に伝えられる。クリック音と言われる超音波を発し、これによって反響定位や、仲間との交信を行っている。」という事が書かれてあります。
私達人間の場合では「副鼻腔で音を受け、ある条件が加わると耳小骨に骨伝導され内耳に伝わる」
という仮説も立てられるのではないでしょうか?(*発生学的にみると下顎骨も耳小骨も魚のエラから進化したと言われています)
もしこの仮説が可能であれば、次に副鼻腔を使って超音波を発声させられるはずです。
耳鳴り「キーン」音の発生源は副鼻腔なり
私は自分の声を副鼻腔を使って共鳴させ、倍音をつくり出し、耳鳴りキーン音つくることができます。
つまりクジラが鼻腔を使って超音波を発声するように、副鼻腔を使って耳鳴りキーンという金属音のような高い音をつくり出せるのです。先ずはYouTubeに投稿したマントラ唱法を聞いて下さい。YouTubeにリンクしてあります動画をご覧に頂けます。
この発声法で出た音は、聞く側の人の副鼻腔に共鳴します。つまり鐘の共鳴と同じなのです。ですから頭の奥に鳴り響くように聞こえます。この体験はオーディオ機器を使っての再生では出来ません。実際にライブで聞いて頂くしか方法がないのですが、耳鳴りキーンという音は聞こえるので、証明方法の一つとして、この動画で聴いてみて下さい。
普通に声を出す場合は声帯だけの振動で出しているように感じられますが、口蓋に当てるように出すと声の音は増幅されます。
発声法を教えている先生方は「声を口蓋にあてるように・・・。」と指導されます。
更に上にある副鼻腔に当てる唱法にモンゴルのホーミー唱法が上げられます。この唱法は下記に示しています副鼻腔の上顎洞に音を当てて共鳴させ倍音という「キーン」という音を発声します。
さらに上位にある前頭洞を使う唱法がマントラ唱法です。 この音こそが耳鳴りキーンという音なのです。
下記の図は副鼻腔の位置と副鼻腔と鼻腔の空気の流れ、また右図には耳管咽頭口の位置が示されています。
このように副鼻腔を使って耳鳴りキーンという音を発声できるのであれば、副鼻腔で生じた「キーン」という音が、ある条件が加わることで耳鳴りキーンとして内耳に伝わってしまうのかもしれません。この時に注目しなくてはならないのが鼓膜張筋なのです。
耳鳴り「キーン」の張本人 耳小骨筋
耳小骨筋とは顔面神経麻痺で説明したアブミ骨筋と謎の鼓膜張筋です。
現在鼓膜張筋の働きは謎です。通説としてはツチ骨について鼓膜の張力に関係しているとされています。鼓膜張筋と表記されていますが鼓膜には直接ついていません。鼓膜に付いているのはツチ骨なのです。クジラの反響定位の時に説明した「副鼻腔で音を受け、ある条件が加わると耳小骨に骨伝導され内耳に伝わる」という事は、鼓膜がその条件なのです。
副鼻腔で発生している「キーン」音は鼓膜の変化で耳小骨に伝導されます。気圧の変化で鼓膜が外や内側に引っ張られると耳鳴りが発生します。
顎関節症で関節円板の前方移動により下顎骨の後方移動が始まり、下顎骨が外耳道ならびに鼓膜に刺激を与えることで鼓膜が緊張し「キーン」音を耳小骨に伝えます。
そして三叉神経に支配されている筋肉、側頭筋、咬筋、口蓋帆張筋、外側翼突筋などの問題から鼓膜張筋の緊張が生じてツチ骨を介して骨伝導で耳鳴り音として伝えてしまっているのではないでしょうか。
またさらに上位に位置する脳に問題がでてしまっても、三叉神経や顔面神経に影響を与え、耳鳴りの原因となっている耳小骨筋=鼓膜張筋やアブミ骨筋に影響を与え耳鳴りを引き起こしているのではないでしょうか。
口腔外科で右顎関節の関節円板のズレをレントゲンで確認。指1本の開口でズレてしまい、ものを噛む時にはいつも「カクカク」音がする。
参考文献
テンプレート療法・Quadrant Theoremを基本として 前原 潔著 “TMD ” Jeffrey Okeson 著 医歯薬出版株式会社 南江堂 ネッター解剖学アトラス Frank H.Netter,M.D 分光堂 解剖学アトラス
からだのソムリエ 斎藤匡寿 著 本の泉社